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アスベスト含有屋根材の見分け方と最適な解決方法
戸建て住宅などの建築において最後にアスベスト入りの屋根材、スレート(カラーベスト・コロニアル)が使われてから十数年が経過しようとしています。屋根葺き替え・屋根カバー工法などの大規模な屋根リフォームをそろそろ検討しなければならない時期に来ていると言っていいでしょう。
有害と言われるアスベスト、それが含有された屋根材にはどのような改修が適切なのでしょうか。お家がスレート屋根という方に向けて、最適な屋根リフォームをご説明致します。
【動画で確認「アスベスト含有屋根材」】
長い文章のページとなっていますので、内容を動画でもまとめています。動画で見たいという方はこちらをご覧ください!
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動画で見たいという方は是非ご覧ください!
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屋根にアスベストが含まれていた場合の最適な屋根リフォームを知るために
貴方のお家の屋根がアスベストを含有しているかどうかの見分け方
アスベストと聞くと発がん性や中皮腫など健康被害のイメージがどうしても付きまといますよね。
ニュースでも散々大きく取り上げられてきた歴史もありますから何となく怖い…といったイメージを抱いてしまっている方も多いと思います。ましてやご自宅の屋根材にアスベストが含まれているなんてことになれば・・・。
想像するととんでもないことのような気がしてしまいますよね。
1970年代から繰り返し、指摘されてきたアスベストの危険性。多くの方がその危険性を察知しており、建物のさまざまな部分に用いられてきたこともご存知でしょう。
現在、公共の建物の場合、アスベストが使用された部分の封じ込めや撤去などの対策が進んでいます。その一方で対策が進んでいないとされているのが個人の所有する建物です。
現在のお家で最も普及しているスレート(カラーベスト・コロニアル)屋根。2004年以前に建てられた建物でこの屋根材という場合、大半はアスベストが含有されています。
もしかしたらこちらのページをご覧いただいている方はすでにご自宅の屋根材にアスベストが含まれているということをご存知の上で、屋根リフォームをご検討中の方もいらっしゃると思います。
どうかご安心ください。実はアスベストが含有されていても、ほとんどの場合、今すぐ危険ということはありません。
もし「自宅の屋根にアスベストが含まれているか分からなくて不安」という方は今後、屋根葺き替えなどの屋根リフォーム時に廃材処理費が高額となるため、事前に知っておいた方がいいでしょう。
石綿を1%以上含む製品の出荷が原則禁止なったのは2004年で、これ以降はアスベスト含有の建材が流通することはほぼなくなりました。2004年以降に建設されたお家ではアスベスト含有の建築資材が使われていないということです。
心配な方に申し上げますと、アスベストに対する規制は2004年以降にも2006年と2012年に行われています。しかし、これらは主に工場で使用される配管のパッキン類に関するもので、2013年には代替技術が確立しています。そのため、現在では不安に思うことは無用です。
屋根材を大きく分けると瓦、スレート、金属になります。このうち、アスベストを含んでいる可能性があるのが前述のスレート(カラーベスト・コロニアル)と粘土瓦以外の瓦、セメント瓦などです。
セメント瓦は厚型スレートと呼ばれることもあり、そのことから分かるようにその成分はほぼスレートと同じです。
釉薬(陶器)瓦、素焼き瓦、いぶし瓦にはアスベストは入っていません。
屋根材の詳細な製品名や製造番号が分かれば、国土交通省のホームページの他、日本石綿協会、ロックウール工業会、石膏ボード工業会のホームページで調べることも可能です。
自分の住まいはどうだろう??
アスベスト含有の屋根材の判別フローチャート
お家を建てたのが2004年以降、または粘土瓦であれば、屋根材にアスベストが含まれていることはありません。このアスベスト含有判別フローチャートでも含まれている屋根材かどうかを調べることができます。
アスベスト含有の代表的な屋根材
これまでスレートの屋根材を販売していた大手メーカーと言えば、旧クボタ(2003年に松下電工(現パナソニック)と住宅外装建材部門を事業統合し、現在の社名はケイミュー)と旧セキスイルーフテック(現在は積水屋根システム株式会社)です。
それぞれの代表的なスレート屋根材を見ていきましょう。「私のお家の屋根、この製品かも」というものがあるかもしれません。ただ、スレート(カラーベスト・コロニアル)は外観がいずれも似ているので、見分けるのが難しいことも覚えておいてください。
旧クボタ コロニアル
スレート屋根と言えば、真っ先に思い浮かぶデザインと形状をしています。ケイミューで現在主流となっているノンアスベストの「コロニアルグラッサ」もこの「コロニアル」と似ており、見分けるのは非常に難しいでしょう。1961~1986年まで販売されていた製品です。
旧クボタ アーバニー
縦の大きな切込みと下端がランダムになっているデザインが最大の特徴で、個性的でおしゃれなスレートです。1982〜1994年まで販売されていた製品で、規制を受けて製造年が新しい程、アスベストの含有率が低くなっています。後年には同じデザインで、ノンアスベストのアーバニーグラッサも登場しました。
旧セキスイルーフテック かわらU
製品名に「かわら」とつくことから分かるように、瓦を模したデザインで受けて大ヒットした製品です。かわらUにはアスベストが含有されているもの(1975〜1990年)とされていないもの(1990〜2007年)があり、ノンアスベストの製品は数々の不具合が社会問題化しています。
屋根材がアスベスト含有だった場合の最適な解決方法
実際の問題としてお家がスレート屋根であり、それが2004年以前に建てられたものであれば、屋根材にアスベストが含まれていることは確実です(一部を除く)。
アスベスト含有の屋根材の場合、どういった方法を取るのが適切なのでしょうか。「危険」といった前面に押し出されている事実だけでなく、正しい知識を学び、最善の行動をしてください。
まずは知っておきましょう!極端に劣化しない限りはほぼ無害という事実
アスベストというとその危険性ばかりがクローズアップされていますが、実は危険な施工例というのはかなり限定されています。
アスベストは禁止されるまで、実にさまざまなものに使用されてきました。その中で最も危険とされているのが、最も飛散しやすいレベル1に分類される室内の天井や壁への吹き付けです。室内ですから、アスベストの濃度は必然的に濃くなりますし、呼吸によって吸い込んでしまう可能性も高いのです。
屋根材としてスレートなどに使用されているアスベストはセメントに混ぜ込まれて固定されていますから、最も飛散しにくいレベル3に分類されます。破砕や極端な劣化がない限り、飛散することはありえないのです。よって、そのままにしておいても問題ないことがほとんどなのです。
アスベスト含有の屋根材は技術の進んだ現在のスレート屋根と比べても、遜色のない耐久性を持っているといわれています。経過を見守るというのも一つの手なのです。
アスベストの危険性を分類するレベル1~3とは
※国土交通省 目で見るアスベスト建材(第2版).pdfより引用
表にあるようにアスベストはその発塵性によってレベル1~3に分類されます。このうち、最も発塵性が高く、危険なのがレベル1で、建築基準法と大気汚染防止法が適用され、特別管理産業廃棄物に該当します。
スレートの屋根材は建築基準法と大気汚染防止法の対象外で、廃棄や処理に関しても特別管理産業廃棄物にあたらず、石綿含有産業廃棄物(非飛散性アスベスト)として処理されます。
屋根葺き替えと屋根カバー工法、どちらを選ぶかはご家族のライフプラン次第
アスベストが含有されていても、その被害が起こりづらいスレート屋根ですが、その危険性を完全になくすには屋根リフォームをしてしまうのが一番です。
その場合、アスベストが含有されている屋根材を完全に撤去してしまう屋根葺き替えか、アスベスト含有の屋根材を覆ってしまう屋根カバー工法が選択肢になります。
前述のようにスレートの屋根材はアスベストが飛散する可能性がほとんどありません。安全性についてはどちらを選んでも差はほとんどないのです。そうなると、問題はコストになります。
屋根葺き替えは屋根材を完全に撤去してしまうので、廃材処理費がかかります。ましてや危険性の少ないレベル1であったとしても、それなりに費用は嵩むのです。
屋根カバー工法の場合、屋根材を撤去しないので、廃材処理費はほぼかかりません。一見すると屋根カバーがお得なのですが、その次はどうするのでしょうか。屋根カバー工法を行った屋根に再度、屋根カバー工法を行うことはできません。
また、解体するにしてもアスベストが含有されている屋根材が残っている場合は解体・撤去に高額な費用がかかります。
現在のような人間の生活が続けば、続くほど、環境負荷は高まっていくのですから、その頃には今よりも廃材処理費が高くなっていてもおかしくないのです。
貴方とご家族のライフプランを考えた上で最適な選択をしましょう。
令和4年4月1日より、建築物等の解体・改修工事を行う施工業者は、大気汚染防止法に基づき石綿(アスベスト)含有建材有無の事前調査結果を都道府県等に報告することが義務づけられています。
街の屋根やさんでは、基準に則った正しい調査・報告を実施しております。
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番外編 アスベストゼロを目指した結果、起こってしまった屋根の不具合と被害
人間も、建物も、自然環境と調和し、共存を目指していかなければなりません。過去、メーカーが規制に率先してノンアスベスト化を推進したことがありました。取り組み自体は評価できるのですが、準備不足やテスト期間の不足が祟り、重大な被害を及ぼしたこともあったのです。
ノンアスベストのセキスイかわらUの起こした不具合
前述のようにセキスイかわらUにはアスベスト含有のものとノンアスベストのものが存在します。
このうち、不具合を発生してしまったのはノンアスベストのセキスイかわらUで、剥離が発生によって屋根材としての機能を消失し、雨漏りを発生させてしまったのです。しかも、同時期にアスベスト含有のものとノンアスベストのものを生産していたため、問題のない建物と問題がある建物が出てくるという異常な状態になりました。
画像をご覧いただければ、屋根材としての機能を果たせてないことがお分かりになると思います。
パミールの起こした不具合
ノンアスベストの新生瓦(スレート)として華々しくデビューしたパミールでしたが、その結果は思わしくないものでした。屋根材がミルフィーユのように何層にもなり、剥がれて崩れてしまい、その結果、雨漏りなどを発生させてしまったからです。ニチハはこれを機に屋根材から撤退してしまいました。
アスベストに関する最新のニュース
1966年以降、建築資材として流通するようになったアスベスト、安価であることから公共住宅などにも使われていました。
現在、一番の問題となっているのは公共住宅の内装、天井などに吹き付けられていたケースです。二段ベッドの上で寝ていた子供が触ると跡がつく、むしると綿のようにふわふわしながら落下していくということから、それで遊んでいたという事例も確認されています。
このように吹きつけアスベストが用いられていた公共住宅は約2万戸とされており、現在では封じ込めや撤去などの対策が完了しています。しかし、静かな時限爆弾と呼ばれるアスベストは被曝してから20年以上後に健康被害が出ることも少なくないのです。民間で使用されたアスベストは正確な記録がなく、その実態を把握することは難しいと言われています。
(NHK クローズアップ現代より一部引用 https://www.nhk.or.jp/gendai/articles/3989/)
アスベスト含有屋根材の見分け方と解決方法のまとめ
●ご自分のお家の屋根にアスベストが入っているかは築年数、屋根材などで見分けることが可能
●2004年以前のスレートはほぼアスベスト入り
●アスベスト入りでも破砕しない限り、ほぼ無害
●アスベスト入りの屋根葺き替えと屋根カバー工法はご家族の都合で選択しましょう
●アスベスト含有からノンアスベストへの移行時期に屋根の被害が出ています
●アスベストは被曝してから20年以上後に健康被害が出ることも多い