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屋根・瓦・漆喰の凍害を防ぐ!たった2つの方法
水が凍ることによって起こるのが凍害(凍て割れ)です。
建材に吸水された水はそこで凍ることによって、屋根瓦や漆喰、外壁などにクラックやひび割れを発生させます。それが繰り返されることによって、やがて建材は破壊されてしまうのです。
大切なお住まいを凍害から守る方法をご案内します。お住まいを長持ちさせるためにご参考にしてください。
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【動画で確認「凍害への対処法」】
長い文章のページとなっていますので、内容を動画でもまとめています。動画で見たいという方はこちらをご覧ください!
↓ ↓ ↓
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動画で見たいという方は是非ご覧ください!
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凍害が起こりえる条件
寒い冬、その寒さから私達を守ってくれているのがお家です。人体に負担をかけているこの寒さ、お家にも同様なのはご存知でしょうか。寒い地域では当然のこととして知られている「凍害」、これが比較的、温暖な地域でも起こりえることをご存知でしょうか。
例えば、外に設置されている水道が凍る目安は外気温がマイナス4℃以下とされています。しかし、風が強い地域ではマイナス1℃~マイナス2℃でも発生する可能性があるのです。
早朝、水溜りなどに氷が張っているのを見たことはありませんか?同じように、建材に含まれた水分も凍ってしまい、凍害を引き起こす可能性は十分あるということです。
瓦や漆喰などをひび割れさせる「凍害(凍て割れ)」とはなぜ起こるのでしょうか。それは温度による物質の体積の違いにあります。
物質はどんなものも固体・液体・気体の状態があります。水も固体の状態では氷、液体では水、気体では水蒸気です。
ほとんどの場合、物質の体積は固体<液体<気体となり、固体が一番小さく、気体が一番大きいのですが、水の場合は液体が一番小さく、気体が一番大きいのです。
水は凍ると体積が増える
水ではつまり、液体<固体<気体となります。同じ1gの体積を水と氷で較べてみると、水(液体)は1立法センチメートルですが、氷は1.09立法センチメートルになります。氷の方が10%程度、大きいのです。気体の場合、流動性が大きく、圧縮もされます。液体の場合も流動性があるので体積が増えても隙間があればそちらへ逃げていきます。固体は圧縮も流動性もなく、その場で大きくなりますから、建材にかかる負担はかなりのものになります。
水が氷になる際に膨張する力は凄まじいものがあり、温度にもよりますが約2,000気圧に相当すると言われています。1平方センチメートルあたり約2tですから、どんなものでも簡単に破壊されてしまうのです。こうやって建材の隙間に入り込んだ水は氷になることにより、クラックやひび割れを発生させ、それを押し広げ、破壊していくのです。
余談ですが、このような性質を持つ液体は異常液体と呼ばれ、水の他、ケイ素、ゲルマニウム、ガリウム、ビスマスの計5種類しか存在しません。
実際に起こった凍害にはこんなものがあります
●瓦屋根の
漆喰が割れてしまった
漆喰が割れてしまった
●屋根全体の
瓦が欠けてしまった
瓦が欠けてしまった
●ブロック塀の
表面が崩れて剥がれだした
表面が崩れて剥がれだした
●外壁の表面が
剥がれてきてしまった
剥がれてきてしまった
●窯業系サイディングの
表面が崩れてきている
表面が崩れてきている
●外壁のクラックが
大きくなってきた
大きくなってきた
凍害が起こるメカニズムの詳細を解説!
1.飛来物などで傷ついてしまったり、塗膜が薄くなったりして防水性が落ちたところに雨、夜露、霜や雪の溶けた水が染み込む。
2.気温が下がって液体だった水が凍って氷となり、体積が膨張し、傷や塗膜の剥がれを大きくする。
3.傷や塗膜の剥がれが大きくなった分だけ、水が染みやすくなり、それが凍ることによってひび割れやクラックに発展する。
4.ひび割れやクラックに発展したことにより、更に水が染みやすくなり、最終的には膨張に耐えられず、剥離したり、割れてしまう。
凍害は建材にしみ込んだ水分が原因ですから、水が浸透しにくい建材を使うのは基本です。これから屋根リフォームをお考えの方は検討材料の一つにしてください。JIS(日本工業規格)では各屋根材と外壁材についてそれぞれ吸水率が以下になるよう定めており、さまざまな試験を行っています。
主な屋根材・外壁材の吸水率
瓦 | 釉薬瓦 | 12%以下 |
無釉瓦 | 12%以下 | |
いぶし瓦 | 15%以下 | |
スレート(カラーベスト・コロニアル) | 28%以下 | |
アスファルトシングル | 12%以下 | |
窯業系サイディング | 20%以下 | |
金 属 | な し |
凍害対策に最適な屋根材
金属(ガルバリウム鋼板)屋根
意外かもしれませんが、粘土やセメントといった土由来の建築資材はどんなものでも、新品の時から水分を含んでいます。水分を含んでいない建材は金属の鋼板しかありません。屋根カバーや屋根葺き替えではガルバリウムなどの金属屋根材を選択するのも一つの手です。
外壁の張り替えや外壁カバーでも金属製のものを選ぶのがお薦めです。
石州瓦
粘土瓦はいずれも10%以上の吸水率となっています。一般的に瓦は凍害が多いので、積雪地帯に向かないと言われていますが、実は豪雪地帯でも北陸地方になると瓦屋根が多く見られるのです。こちらは石州瓦と呼ばれるもので、吸水率が5%前後と低いため、極めて凍害がおきづらいのです。
瓦屋根にしたいという方はこういった吸水率の低い瓦をお薦めします。
多くの場合、建材は塗装されることによって防水性を向上させています。屋根も外壁も塗装が必要なところは早めに塗り替えを行うことによって凍害を防げます。
窯業系サイディングの目地のシーリングは特に傷みが出やすく、水が染み込みやすい部分でもあるので、定期的に点検し、傷んでいるようなら補修をしてあげてください。
また、凍害の被害を受けてしまった場合は早めに補修することが大事です。
1.屋根塗装・外壁塗装で吸水を防ぐ
スレートやセメント瓦はそのままだと水を吸ってしまう素材ですが、製品として出荷される際には塗装が施されています。ところが経年で塗膜は劣化し、だんだんと防水機能を失いますから、定期的に塗装で保護しましょう。窯業系サイディングやモルタル外壁、ALC、コンクリートなども同様です。手で触ると塗料の粉が付くチョーキング現象などが発生したら、早めに塗り替えを行ってあげましょう。
防水性を回復させることで凍害を防ぐことができます。
2.ひび割れとクラックは冬前に補修する
すでにひび割れやクラックが発生しているなら、そこから雨水などがしみ込み悪化させてしまいます。寒い地方の方は中秋前に補修を終えておいた方がいいでしょう。
外壁のクラックは、シーリング材やモルタル等で補修します。
3.窯業系サイディングの目地とその周辺は定期点検と補修
前述のように窯業系サイディングのシーリングは傷みやすいところです。シーリングは10年もたつと弾力を失い痩せてひび割れてくることがあります。シーリングが剥がれてしまえば、サイディングの断面があらわになります。
実はサイディングの断面や裏面には塗装がされていませんから、ここから水分が入ると窯業系サイディングにもどんどんしみ込んでしまいます。また、窯業系サイディングはこの目地の近くに釘で固定されていることが多いです。
釘の頭が露出していたり、ここが起点となってひび割れやクラックが発生していることもあります。念入りに見てあげてください。
外壁のシーリング補修やクラック補修は併せて塗装も行うことが多いです。
凍害が起こっていなくても、建材に水が染み込むのは防ぐべきです
凍る・凍らないに関わらず、建材が水分を吸収すると劣化を早める原因となります。水分を吸収すればその分、体積は増えますし、それが乾燥する時に体積が元に戻ります。このような湿乾伸縮を繰り返すと、伸縮に付いていけず表面の塗膜が割れたり、建材そのものが変形したり、反ったりします。
夜毎、氷点下になる地域ではすぐに凍害が起こり、割れてしまうでしょう。
防水性については常に気をつけないといけないのはどの地域でも同じなのです。
凍害を予防する方法について解説しましたが、実際に起こってしまったときは補修やリフォームが必要になります。
瓦の凍害
和瓦の場合、凍害に遭うと独特の割れ方をします。多くは、ただひび割れるのではなく、端から層が剥がれるように細かく砕けてしまいます。そしてそれが屋根全体の瓦に広がっていることが多いので、部分的な補修や瓦の差し替えでは対応しきれないことも多いのです。和瓦が凍害の被害に遭ったときは、多くの場合、屋根の葺き替えをご提案しています。
部分的な葺き替え
特に被害の多い箇所の瓦を撤去し、状態によって下葺きを補修、新しい瓦を葺き替えます。この時、無傷でまだ使える瓦は再利用もできます。J形瓦は企画でサイズが決められているのでできる処置です。
■修理事例
ケラバ付近の瓦を一部差し替え
ケラバ付近の瓦を一部差し替え
「瓦が割れているようだ」とのお問合せで伺うと、ケラバの見掛瓦やその付近の瓦が凍害でひび割れており、さらにそこから雨水が浸入して雨漏りが起こっていました。
該当部分の瓦と下地の補修を行います。瓦を撤去後、下地として葺かれていた土も処分します。使える瓦はきれいに清掃し再利用します。雨漏りによって腐食を始めていた箇所を補強、その上から防水紙を敷きました。
屋根全体の葺き替え
築年数が長いお住まいなら、下葺きも劣化が進んでいるはずです。全ての瓦を撤去し、下地を補修・補強、新しい屋根材を施工するのが屋根葺き替えです。
■修理事例
雨漏りが発生している瓦屋根を金属屋根へ葺き替え
雨漏りが発生している瓦屋根を金属屋根へ葺き替え
屋根瓦が凍て割れによって割れ、茶色い素地がところどころ見えてしまっていました。破片がぼろぼろと落ちてくるような状況です。既に雨漏りが発生していることもあり、屋根の葺き替えリフォームとなりました。
瓦と古い土を全て撤去し、野地板を設置します。通常野地板は垂木に固定しますが、既存の垂木は傷んでいる可能性が高いので、その代わりに胴縁と呼ばれる木材を設置しています。
新しい屋根材は金属(ガルバリウム鋼板)です。水を吸わない金属なので凍害に強くなり、また屋根全体の重量が10分の1程度になりました。
<凍害の心配がない屋根材へ>
前述のとおり、金属(ガルバリウム鋼板)の屋根材なら凍害の心配はありません。和風住宅にもしっくりとはまります。
<屋根を軽くできる>
瓦の弱点はその重さです。特に、土を使った昔ながらの工法から葺き替えれば、屋根が大幅に軽くなりお住まいへの負担軽減、耐震面でも有利になります。
前述のとおり、金属(ガルバリウム鋼板)の屋根材なら凍害の心配はありません。和風住宅にもしっくりとはまります。
<屋根を軽くできる>
瓦の弱点はその重さです。特に、土を使った昔ながらの工法から葺き替えれば、屋根が大幅に軽くなりお住まいへの負担軽減、耐震面でも有利になります。
漆喰の凍害
漆喰が凍害に遭うと、ひび割れ、剥離することがあります。ただ、漆喰の寿命は20年程度で、ひび割れる原因は凍害だけではありません。凍害の被害なのかどうかは判断が難しいですが、いずれにしても劣化した漆喰を放っておくのは危険です。
漆喰は、主に瓦屋根の棟部分を支え保護しています。漆喰が剥がれてしまうと、できた隙間からの雨漏りにつながったり、棟の倒壊を招いたりしてしまうのです。補修方法は以下の2つです。
漆喰詰め直し
古い漆喰を取り除き、新しい漆喰を詰め替えます。
棟取り直し
漆喰の劣化を放っておくと棟に使われている瓦が徐々にずれ、歪みが発生します。棟の瓦を解体し、積み直すのが「棟取り直し(「棟積み直し)」です。
外壁の凍害
窯業系サイディングやモルタル外壁、ALC外壁の表面が崩れるように割れていたら、原因は凍害である可能性が高いです。特に雨水が入り込みやすい目地の付近や、窓枠・換気口の周り、釘穴の周りなどが凍害を受けやすい部分です。
割れてしまった外壁材はモルタルやパテ、コーキングなどで補修いたします。外壁のパターンもできる限り再現し、全体の塗り替えを行うことで防水性を復活させるとともに補修跡を目立たなくできます。
また、被害が大きかったり外壁材がすでに古いときには、張り替えや重ね張りでのリフォームもおすすめします。
■修理事例
凍害にて爆裂を起こしたALC補修
凍害にて爆裂を起こしたALC補修
ALCとは軽量気泡コンクリートのことで、その名の通り、気泡が多く含まれた建材です。軽量で丈夫ですが、水を吸いやすいのが弱点で、それがこのように凍害を引き起こしてしまいます。外壁塗装の前にコーキングで補修いたします。
温暖な地域、雪深い地域、場所によって気候は様々で、その土地に合った建材や施工方法というものがあります。凍害に関するメンテナンスや補修は、地域の気候をよく知る業者に依頼するのが安心です。
街の屋根やさんは地域密着。点検やお見積もりは無料です。屋根やお住まいを長持ちさせたい方、屋根の不具合でお困りの方、リフォームをお考えの方も、まずはお問合せください!
凍害についてのまとめ
●特別に寒冷な地域でなくても、水溜りに氷が貼る地域なら凍害は起こり得ます
●凍害は建材に染みた水分が凍ることによって発生、氷は水よりも9%程度体積が大きいため、ひび割れやクラックを発生させます
●屋根の瓦やブロック塀、窯業系サイディング、ALCなどの外壁にひび割れを起こし、最終的には割れや剥離を誘発します
●吸水率が低い建材では凍る水分も少なくなるので凍害は起こりづらくなります
●金属は吸水率がほぼゼロ、石州瓦は5%前後なので凍害が起こりづらい建材です
●吸水を防ぐための塗り替えやクラック補修、シーリングの充填なども凍害の発生を防ぐ有効手段です