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瓦が落ちたら修理に火災保険は使える?瓦落下の対処方法
台風・強風で屋根の瓦が落ちてしてしまった!
放置しても大丈夫か?雨漏りしたらどうしよう…。
瓦が落ちたらどのように対処するべきか、火災保険で修理はできるのか?
まずは落ち着いて行動いただけるよう、瓦が落ちたときの対処と修理について解説します。
放置しても大丈夫か?雨漏りしたらどうしよう…。
瓦が落ちたらどのように対処するべきか、火災保険で修理はできるのか?
まずは落ち着いて行動いただけるよう、瓦が落ちたときの対処と修理について解説します。
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瓦が落ちたと気づいた時、まず心配なのが雨漏りですよね。雨漏りの心配がないケースと危険なケースの違いを見ていきましょう。
雨漏りの心配がないケース
☑ 防水紙(ルーフィング)が劣化していない
☑ 瓦が落ちてすぐ
多くは、強風や積雪で瓦がズレて落ちてもすぐに雨漏りの症状が出るわけではありません。
☑ 瓦が落ちてすぐ
多くは、強風や積雪で瓦がズレて落ちてもすぐに雨漏りの症状が出るわけではありません。
そもそも屋根の構造として、まず野地板と呼ばれる下地があります。その上に雨水を防ぐ防水紙が施工されており、さらに桟木という瓦を引っ掛けるための材木を設置し、そこに瓦が設置されているという構造になっています。
つまり万が一瓦が落下して欠損しても防水紙があるのでたちまち雨水が屋根裏に染み込んで雨漏りすることはないということです。
ただ、あくまでも防水紙が劣化していないことが前提です。防水紙も経年劣化します。防水紙に穴が空いていたり、破れていたりすれば当然雨水が通過し下地である野地板に染み込んで雨漏りを起こします。瓦が落下して雨漏りの心配がないケースは防水紙が健全であることが条件です。ただし問題なさそうだからと放置していれば、防水紙に雨風が直接当たることになり、劣化を促進させます。
必要以上に慌てることは無くても、できる限り早めに瓦の補修をしておきたいところです。
また、瓦の見た目はきれいでも、瓦が落ちて剥がれてみると内部はボロボロ…というケースも珍しくはありません。瓦は丈夫で長持ちする分、特に築年数の長いお住まいでは注意が必要なのです。
雨漏りの危険があるケース
☑ 防水紙が劣化している
☑ 土葺きの瓦屋根
☑ 築年数が長い
☑ 棟瓦が落ちたとき
瓦が落ちて雨漏りの確率が高くなるのは、前述の通り、防水紙が耐用年数を超えて経年劣化して、水を通してしまう状況になっているときです。
また、瓦の屋根には土葺きと桟葺きがあります。昔ながらの土葺きは、瓦の下に土が敷き詰められています。ところが何十年も経っているため、土が流れたり痩せたりで十分に機能を果たせなくなっていることがあります。
☑ 土葺きの瓦屋根
☑ 築年数が長い
☑ 棟瓦が落ちたとき
瓦が落ちて雨漏りの確率が高くなるのは、前述の通り、防水紙が耐用年数を超えて経年劣化して、水を通してしまう状況になっているときです。
また、瓦の屋根には土葺きと桟葺きがあります。昔ながらの土葺きは、瓦の下に土が敷き詰められています。ところが何十年も経っているため、土が流れたり痩せたりで十分に機能を果たせなくなっていることがあります。
普段は問題なくても、瓦が落ちたままだと、土も一緒に落ちてしまうでしょう。つまり土葺きの瓦屋根であるときは早めの対処が大切です。防水紙の耐用年数は20~30年ほどです。総じて、築年数が長いお住まいの場合は注意するべきです。
棟瓦が落ちたら特に注意
屋根の三角の頂部を棟と呼び、そこに設置された瓦が棟瓦です。
棟瓦は屋根の面と面の境目を守るためにあるものです。施工方法にもよりますが、この棟瓦がなくなってしまうと雨が屋根内部に入りこむ可能性も高くなります。そもそも危険なので、棟瓦が倒壊した時は早急にご相談ください。
棟瓦は屋根の面と面の境目を守るためにあるものです。施工方法にもよりますが、この棟瓦がなくなってしまうと雨が屋根内部に入りこむ可能性も高くなります。そもそも危険なので、棟瓦が倒壊した時は早急にご相談ください。
雨漏りが起きなくても、瓦が落ちていたりズレていたりする状況をいつまでも放置しておくのは危険です。
他の瓦にも影響が出る
一部の瓦が無くなった状況で放置するとその後の台風や強風が襲ってきたとき、当然欠損している周囲の瓦がめくれやすくなりますよね。風の力は思いのほか強く、一旦瓦の下に強い風が潜り込むと一気に大量の瓦が飛んでいく可能性があります。
重い瓦は危険
瓦が落下・飛散するところを想像してみてください。周辺に人がいれば落ちた瓦によって、怪我をするだけではすまないかもしれません。周囲の家屋に被害を及ぼしたり、車に衝突したりと危険な状況になることを想定すると恐ろしくはないでしょうか?様々な補償の問題も出てくるかもしれません。
応急処置だけでも重要です
そうならないために、瓦が数枚破損しただけでも、まずはご相談ください。瓦の種類によってすぐご用意できないときや、台風などで周辺の工事が立て込んでいるときなど、補修工事をお待たせしてしまうこともありますが、その時は応急処置(雨養生)だけでも対応いたします。(※雨が降っている状態では屋根に上がれません。)
被害を拡大させないために、応急処置には大きな意味があります。危険な状況にしておかないことが重要なので、瓦の落下は放置しないで迅速に対処しましょう。
台風や強風により瓦が落ちて破損した場合は火災保険の「風災」という項目で補償される可能性があります。また、以下のようなケースでも補償されるかもしれません。
①雪災
大雪による屋根への積雪が原因で屋根瓦が落下・破損した
②雹災
雹がぶつかり屋根瓦が落下・破損した
③物体の衝突
他人が操縦していたドローンや飛来物などによる屋根被害
大雪による屋根への積雪が原因で屋根瓦が落下・破損した
②雹災
雹がぶつかり屋根瓦が落下・破損した
③物体の衝突
他人が操縦していたドローンや飛来物などによる屋根被害
火災保険が適用できない屋根の修理とは
屋根を修理しないといけない状況であっても火災保険が適用できない状況とはどのような時なのでしょうか。①経年劣化で破損したと判断された場合
②申請期限である3年を超えた場合
③免責など一定の金額を超えない場合
そもそも火災保険とは自然災害や突発的に起きた事故などが原因で起こる損害に対しての補償なので、経年劣化や過失、施工不良などの人的な原因に対しては補償されません。
また、災害が起こってから3年以内でなければ申請できないので早めに屋根の点検をすることが必要です。
さらに契約内容によっては、一定の金額を超えないと保険が適用にならない場合があります。以前は20万円以上でないと補償されないことが一般的でした。また免責金額を決めてあるときも同様です。
火災保険を利用するにはこれらの確認が必要になります。
地震が原因で瓦が落ちたら?
瓦が落ちた原因が地震災害だったときには、火災保険は使えません。地震保険へ加入していれば、補償の対象になることもあります。受け取れる保険金は地震保険の契約内容によって異なり、セットの火災保険金額の30〜50%の範囲で設定します。修理にかかる全額を地震保険で賄うことは難しいと考えた方がいいでしょう。
火災保険の利用に関して、トラブルが数多く報告されています。突然の台風などで屋根瓦の飛散・落下被害に遭うと慌ててしまうこともあるでしょうが、次のような事例に注意してください。
必ず保険金がもらえると言われる、ウソの申請をすすめられる
※図 PIO-NET3にみる「保険金が使える」と勧誘する住宅修理サービスの年度別件数
※出典:独立行政法人国民生活センター
※出典:独立行政法人国民生活センター
火災保険は申請したからといって必ず適用されるとは限りません。それなのに「絶対保険がおりるので」と修理の契約をすすめられることがあるようです。火災保険が使える前提で話を進める業者には要注意です。
また、自然災害の被害ではないのにそうであるように装って申請をすすめる業者はもってのほかです。
点検商法によるトラブル
※2022年度同期件数(2022年8月31日までのPIO-NET登録分)は893件
※図 PIO-NET1にみる屋根工事の点検商法に関する年度別相談件数
※出典:独立行政法人国民生活センター
※図 PIO-NET1にみる屋根工事の点検商法に関する年度別相談件数
※出典:独立行政法人国民生活センター
「お宅の瓦がずれているようです。点検しましょう。」と訪問し、屋根に上ってわざと瓦を壊したり、嘘の写真で不安を煽ったりするのが点検商法です。ここ数年でも非常に増え、街の屋根やさんでもご相談をいただいています。
突然訪問されても屋根には上がらせず、ご自身で呼んだ業者に点検してもらうべきです。
瓦が落ちた時の補修方法と、修理費用の目安をご紹介します。
瓦修理の費用相場
瓦の修理内容 | 費用相場 |
瓦の差し替え(数枚) | 3万~5万円 |
棟取り直し | 9万~60万円 |
屋根葺き直し | 84万~145万円 |
数枚の瓦がずれたり落ちたりしたら
→瓦のずれ補修、一部差し換え
台風や強風で定位置からズレた瓦を正確な位置に戻す作業をします。落ちて割れた瓦は新しい瓦に差し替えます。
この場合は下地である野地板や防水紙が劣化していたり、災害でダメージを受けていたりしていないかを確かめてから行うことが必要です。
施工事例
モニエル瓦を素焼き瓦で代用し差し替え
数年前の台風で破損してしまった瓦を、次の台風が来るまでに補修したいとのことで差し替えた事例です。
周りのずれた瓦も一度撤去し、ビスで固定しながら葺きなおしていきます。今は製造されていないモニエル瓦でしたので、似た形の素焼き瓦にて代用いたしました。さらに塗装をすれば見た目の違いは分からなくなるでしょう。
瓦飛散の範囲が広ければ
→一部葺き替え・葺き直し
一帯の瓦を一度撤去し、必要に応じて下地を補修してから、新しい瓦に葺き替えます。割れていない瓦は再利用することもあります。費用は規模によって変わります。
施工事例
強風で剥がれたケラバ付近の瓦を補修
施工日数 1日 費用 12.6万円(税別)
施工日数 1日 費用 12.6万円(税別)
約3㎡程の瓦と土を撤去し、下地になっている野地板を補強、新しく防水紙(ゴムアスルーフィング)を敷き、瓦を葺き直した事例です。
南蛮漆喰で土台を作り、風切丸も修復いたしました。
棟瓦が崩れたら
→棟取り直し
屋根の頂上部分の棟瓦のみの補修で漆喰を詰める作業も含まれます。屋根の一番上の棟は屋根にとっても重要な部分で、ズレや割れがあると全体の崩壊も招きます。
棟の瓦が落下してしまうと雨漏りが発生しやすいので、早急に補修しておきたい部分です。
広範囲に瓦がめくれてしまったら
→屋根葺き替え
全面的に葺き替えが必要なのは、築年数の経過した建物で被害が大きいときです。部分的な補修工事では追い付かないような損傷であったり、すでに経年劣化が激しく今後も被害が出やすいと判断したら葺き替えをおすすめします。
全面的に葺き替えれば、下地である野地板の補強や張り替えから行い、当然防水紙も新しくなります。小さな修理を繰り返している、これからも長く住み続けるなら丈夫な屋根に葺き替えることをおすすめします。
次に葺き替えを行うにあたっては次のような屋根材も最も検討してみてください。
①防災瓦
防災瓦は、1枚1枚の瓦を釘やネジでしっかり固定し、ズレや脱落を防止するという特徴があります。固定していない瓦は風速30m/sほどで飛散してしまいますが、防災瓦なら、40〜50m/sの大型台風にも耐えられると言われています。また防災瓦は一般的な和瓦より軽量なことも特徴の一つです。
さらに棟部分は芯木と金具でしっかり固定します。
②金属屋根
最近は瓦から金属屋根へ葺き替える方が増えています。金属屋根は軽量で地震や台風などの災害に強く、瓦のように飛散することも少なく安定します。
ガルバリウム鋼板やエスジーエルと呼ばれる次世代金属屋根材が主流になりつつあり、耐用年数も比較的長くメンテナンスしやすい屋根材です。
瓦が落ちたとき、状態によっては緊急性のないこともありますが、放っておいて良いということはありません。地震や大型台風の後などは、お問合せも殺到しますから、早めのご相談をおすすめします。
瓦の補修、屋根の心配事は街の屋根やさんまでお問合せください。状態やご希望から、適切な修理工事をご提案いたします。
瓦が落ちたら修理に火災保険は使える?瓦落下の対処方法まとめ
●瓦が落ちても、防水紙が劣化していなければすぐに雨漏りするということはありません
●逆に、防水紙が劣化している場合、棟瓦が落ちた場合は雨漏りにご注意ください
●土葺きの瓦屋根や築年数が長いならご注意ください
●いずれにしても瓦の落下を放置すると更なる被害を招く恐れがあります。応急処置だけでも早めにしておきましょう
●破損した瓦の補修には火災保険が使える可能性があります
●火災保険の利用に関して、また「瓦がズレている」等とやってくる点検商法には注意しましょう
●瓦の補修は、一部の補修で済むことと、全体の葺き替えをおすすめすることがあります