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屋根工事と雨漏り補修に必要なシーリングやコーキングの種類と使用法
一般的な戸建て住宅だけでなく、ビルなどの建物においてもさまざまな箇所に使われているのがコーキング剤やシーリング材と呼ばれる充填剤です。容器に入っている時は半固体状の粘弾性を持ち、乾燥して固まるとゴムのような弾性を持つ物質になります。主に建築資材と資材の隙間に充填され、それらの接触による破損を防ぐ緩衝材として利用されたり、漏水を防ぐ目的で使用されます。
基本的にシーリングとコーキングは同じものと考えて問題ありませんが、それぞれ複数の種類が存在し、建材や使用する場所に合わせて最適なものを選ばなければなりません。
このページでは
「シーリングやコーキングの種類と用途が知りたい。」
「シーリング、コーキングは雨漏り修理に使えるの?」
とお考えの方に、シーリングやコーキングを必要とする工事とその場所、その工事に最適なシーリング材やコーキング剤とその特徴、使用の注意点などを紹介していきます。
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【動画で確認「シーリングやコーキングの種類と使用法」】
長い文章のページとなっていますので、内容を動画でもまとめています。動画で見たいという方はこちらをご覧ください!
↓ ↓ ↓
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動画で見たいという方は是非ご覧ください!
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屋根や外壁などの外装工事では室内側への漏水を防ぐべく、さまざまな工夫が行われています。リフォームなどではこれまで使用されていた建材を取り外すことも多いため、釘などで固定されていた場合、その撤去跡にはどうしても穴が残ってしまいます。この穴、リフォーム後に隠れてしまえば、美観の問題については解決できるかもしれませんが、そこに雨水が溜まったりすれば、悪影響が出ることは必至です。また、空隙となっていることから、ここを起点にクラックや裂けが発生することも考えられます。こうした穴や空隙をなくす補修のため、充填されるのがコーキング剤やシーリング材です。
コーキング剤やシーリング材はこうした補修などの他、新築でも、リフォームでも、さまざまな場面で活躍しています。水密性を求められるキッチンや洗面所、お風呂場、これらの新設や交換といった場合にもコーキング剤やシーリング材は漏水を防止するため、用いられています。お風呂の場合、バスタブと壁や床の取り合いの部分に充填されているゴムのようなものがコーキング剤やシーリング材です。建物の外では窯業系サイディングの外壁の目地に充填されているものがコーキング剤やシーリング材です。建物の内外を問わず、私達の生活のために活躍してくれているのがコーキングやシーリングなのです。
コーキング剤とシーリング材は同じもの? 違うもの??
現在の現場ではコーキングもシーリングも、コーキング剤とシーリング材もほぼ同じ意味で使われています。例えば、屋根の棟板金交換などのお見積りで「シーリング処理」や「コーキング処理」といった違った表現が出てきても、施工内容は同じです。シーリング材(コーキング剤)を棟板金の繋ぎ目に塗布したり、充填したりして、その内部へ雨水が入らないようにする工程のことです。
なぜ2つの言葉が存在するかというと以前は日本工業規格(JIS)によってシーリング材と油性コーキング剤が明確に定義づけされていたこと(現在は廃止)、英語に「隙間に詰めものをする」caulkという単語と「封をする」というsealという単語が存在することが影響しています。どちらの言葉を使ってもほとんどの場合、業者に通用しますのでご安心ください。
一般的な戸建てに限らず、建物には水密性や防水性が求められるところが多数存在し、その度合いも大きく違ってきます。例えば、同じ水廻りでもお風呂とキッチンでしたら、お風呂の方がより緻密な水密性や防水性が求められるのは想像できますよね。外廻りでもお部屋と直接繋がる窓のサッシと奥に透湿防水シートが控えている窯業系サイディングの目地ではサッシの方が高度な防水性を求められます。
また、各部で使われる素材も違いますので、それに合わせたシーリング材が必要になってきます。
シーリング材の種類と特徴
シリコン系シーリング材
安価でホームセンターなどでも一番目にするタイプです。耐水性、耐熱性に優れていて、火や油を使うキッチンや、お風呂などの水まわりに向いています。こういった場所では清潔さも必要ですので汚れにくい撥水性も求められます。しかし塗料もはじいてしまうので上から塗装が必要になる場所には使用できません。
変成シリコン系シーリング材
窯業系サイディングの目地へのシーリングは塗装前に充填してしまう先打ちと塗装後に充填する後打ちが存在します。前者の先打ちは目地の色が外壁と異なるため嫌だから、一緒に塗ってしまいたいという方向けです。そんな方にお薦めなのが塗装可能な変成シリコン系シーリング材です。サイディング目地や、クラック補修、スレート屋根材の補修など外装補修にはよく使われます。
塗料との相性が悪いと、成分中の可塑剤と反応し変色してしまう「ブリード現象」が起こるので注意が必要です。
ウレタン系シーリング材
密着性に優れている上、弾力性に富んでいるのがウレタン系シーリング材です。モルタル外壁などのクラックの補修、木材の破風や鼻隠しなどで経年により隙間ができてしまった場合の補修に向いています。比較的安価ですが弱点は紫外線に弱いことで、充填後は塗装してあげることが必須項目となっています。
やはりブリード現象には注意しなければいけませんが、NB(ノンブリード)ウレタンタイプもあります。
アクリル系シーリング材
ALC外壁の目地に充填されていることが多いアクリル系シーリング材。サイディングの目地やクラック補修などでも使用できて上からの塗装も可能ですが、対候性に劣るので実際のリフォーム現場ではあまり使われません。
ちょっとした穴あきやひび割れなら自分でシーリングを使って補修できるのでは?DIYでご自宅の補修や雨漏り修理をしてみようという方もいらっしゃいます。
実際、リフォームや雨漏り修理の現場ではシーリング材やコーキング剤が使われる場面は多いです。まずはどんな場合でシーリング材が使われるのか、実例をもとにご紹介します。
実例:1
モルタル外壁からの雨漏り補修
大きなクラックが目立つ外壁です。そのままシーリングを施してもしっかり埋まらずすぐにはがれてしまう恐れがあるため、クラック部分を一度サンダーでVカットし溝を広げ、密着させるためのプライマーを塗布してからシーリングを充填します。
目立つクラックを全て補修、出窓の周りのシーリングも劣化していたため打ち直しました。この後全面を外壁塗装すれば補修跡はほとんど目立たなくなります。
実例:2
モニエル瓦釘穴からの雨漏り補修
雨漏りの発生しているモニエル瓦の屋根です。築年数が経っており下地の防水紙や野地板も傷んでいますので本来であれば葺き替えがベストなのですが、3~5年程度持てば良いというご希望から、雨の浸入口になっている緩んだ釘穴を補修いたしました。釘を打ち込み直し、隙間を無くすようにシーリングを充填していきます。
棟部分は漆喰が剥がれ中の土が流出することでやはり雨の浸入口になっていましたので、葺き土としても使えるシルガードを詰めて補修、「雨が降っても快適に過ごせるようになった」と感謝の言葉をいただけました。
実例:3
天窓からの雨漏り補修
築25年、新築時に設置した天窓の端から雨水が漏れてくるとのことでお問合せをいただきました。天窓のガラス周りにあるパッキンの劣化によるものでした。
まずは古いパッキンを全て撤去します。カッターを使い下地を綺麗にしていきます。マスキングテープで養生後、変成シリコンシーリングを充填します。ヘラを使ってならすことで、ガラスと窓枠の間にシーリング材がしっかりと入り雨水の浸入する隙間が埋まりました。
シーリングでの雨漏り修理はあくまでも応急処置
このように雨が浸入する隙間を埋めるため、シーリング材は活躍します。ところがシーリング材・コーキング剤の寿命はそれほど長いものではなく、はやくて5年、多くは10年もすると傷みが目立ってきます。
シーリングでの雨漏り修理は一時的な処理で、いずれは本格的な修繕が必要になることを覚えておいてください。
DIYでのシーリング材・コーキング剤の使用は難しい
シーリング材やコーキング剤にはさまざまな種類があり、用途もいろいろ、使い方を間違うと事態を悪化させることもあります。ホームセンターやネットショップで簡単に手に入るシーリング材・コーキング剤ですが、選び方、使用については注意が必要です。問題が解決できず後から結局工事をすることになってしまったら費用も余計に掛かります。迷ったり分からなかったりするときはプロに相談するのが一番でしょう。
また、高い場所や屋根の上での作業はとても危険です。プロでも年間数百という転落事故が報告されているのです。決して危ない作業はなさらないようにしてください。そのために我々専門業者がいるのです。
シーリング材やコーキング剤を使う雨漏り修理の例をご紹介しました。こう見ると、隙間や穴あきをシーリング材で埋めればどんな場合でも処置が可能なのでは?と思われるかもしれませんが、それだけでは直すことのできない雨漏りもあります。
屋根材の割れ
瓦やスレートなどの屋根材が、経年劣化やものがぶつかった衝撃で割れてしまうことがあります。瓦などが割れていて、雨漏りしていれば、それが原因だと思い一刻も早く修理したいと思うでしょう。しかし実は、屋根から雨漏りする本当の理由は、表面に見えている屋根材ではなく、その下葺き材にあるのです。
ほとんどの屋根では下葺き材に防水紙(ルーフィング)が使われていて、雨を通さない素材でできたこの防水紙が、雨水が屋内に入り込むのを防いでいます。ところが月日とともに防水紙が劣化して穴が開いたり破れたりしてしまうと、雨漏りになってしまうんですね。問題がないように見える屋根でも瓦をめくってみると防水紙が擦り切れていた、ということは珍しくありません。
この場合、目に見える瓦やスレートだけをシーリング材で補修しても雨漏りは治まりません。下地も一緒に修理する必要があります。ただ、雨漏りが起こっていない状態であればシーリング材での屋根材補修は有効です。早めに補修しておくことで下地へのダメージが軽減されます。
金属の錆による穴あき
トタン外壁や金属屋根など、錆を放置していると穴が開いてしまうことがあります。特に、折板屋根のボルト周りから錆びて穴が開きそこから雨水が入り込んでしまうケースは多いです。
この時、穴が開いている箇所をシーリング材で埋めれば一時的に浸水は止まるでしょう。ところがそれだけでは錆の進行を抑えることはできません。またそのうちに穴が広がってきて雨漏りが再発します。
錆による穴あきにシーリング材を使用するのはあくまでも一時的な処置だと思っていてください。
押えコンクリート目地の劣化
押えコンクリートとは、ビルやマンションの屋上などでよく見られる仕上げ材のことです。防水層の上からそれを保護するためにコンクリートが打たれ、伸縮目地が設けられています。この目地が劣化し剥がれたり浮いたりするので、雨漏りした際に管理人の方がシーリング材を打ち込んで応急処置しているケースもよくあります。
しかし既にコンクリートの下まで水分が入ってしまっている状態であり、また目地だけでなくコンクリートそのものに細かいクラックが入っていることも多いので、目地のシーリング補修だけでは不十分といえます。
雨漏り修理やメンテナンスにシーリング・コーキングを使用したところ、逆に悪化させてしまうケースや新たな被害を招いてしまうこともあります。特に以下のような場合には注意してください。
応急処置のつもりが被害拡大に?
外壁や窓枠周りから雨漏りが発生してしまった。そういったとき、ご自身でむやみにシーリング材を使用すると被害拡大を招くこともあるのです。
雨の浸入口を特定する前にシーリング材によって流れを塞いでしまう、間違った個所を埋めてしまうなどすると、入り込んだ雨水の行き先が変わり、別の場所へ雨漏りが広がったり、原因の特定が難しくなったりということもあるので、シーリング材の使用は慎重に行う必要があります。
ラバーロック工法
屋根瓦のずれや落下を防ぐため、シーリングで瓦同士を接着する「ラバーロック工法」と呼ばれる工事があります。手軽な工事なので、別の屋根工事のついでや、訪問業者などにすすめられることが多いようです。確かに瓦の落下や飛散はしにくくはなりますが、それもある程度までで、大きな台風や地震の時には接着された瓦がまとまって落下したり飛散したりするのでさらに危険です。
しかもラバーロック工法は正しい方法で施工しないと雨漏りの原因になってしまいます。瓦同士の接する一部分だけにシーリング打設するならまだ良いのですが、周りをすべて埋 めてしまう形で施工すると湿気や入り込んだ雨の逃げ道がなくなり、結果として屋根の内側に水分が浸入してしまうのです。
屋根や外壁など外装の工事では、シーリングやコーキングが多く使われます。例えば、これまで外壁にビスなどで据え付けてあった機器が不要となり、それを撤去した場合、その穴が残ります。こういった機器撤去後のビスの穴、美観の問題もありますが、そのままにしておくと後々トラブルを招き兼ねません。穴の開けられていない部分と開けられた部分では雨水の染み込みやすさも違いますし、水分が残ったままになれば寒い季節には凍害で外壁にクラックが入ったり、一部が欠け落ちてしまうことも考えられます。
こういったちょっとした穴を埋める際にもシーリング材などが使われます。シーリングやコーキングがメインで活躍するというよりも、どちらかというと細かい部分で使われることも多いのです。キッチンやお風呂などを交換した際にもシーリング工事は行われます。お風呂などでは経年でシーリング材にカビが生えることを嫌い、数年おきに打ち替えている方もいるようです。ここでは主に外装工事でシーリングを必要とするものをあげておきます。
切妻屋根などの場合、棟板金の繋ぎ目からその下へ雨水が入ってくる可能性は少ないのですが寄棟屋根の場合、大棟と下り棟の接合部分、Y字型の継ぎ目が天を向いているため、漏水リスクが高くなります。そのため、この部分の繋ぎ目はシーリングで塞がなくてはなりません。お客様が目にすることは滅多にない部分ですが、雨水の流れを妨げないよう養生テープを使用して綺麗に仕上げることが求められます。
強風で外れた棟板金を交換して屋根塗装、貫板は腐食しないタフモック
こちらは招き屋根とギャンブレル屋根という要素を持った複雑な形状です。都市の斜線規制のため、このような複雑な形状になったのでしょう。複雑な形状、3階建てとさまざまな条件が重なった結果、屋根塗装の途中で棟板金を交換するのが最も適切と判断されました。外れかけた棟板金を外し、これまでの貫板を撤去していきます。新しい貫板は水に強いタフモックにしました。タフモックを取り付けた後、棟板金を設置していきます。
棟板金がY字型に交わる部分には雨水が浸入しないよう、シーリング材を塗布しておきます。棟板金設置後、再び、屋根塗装の工程に戻ります。
竣工、屋根塗装と棟板金交換
棟板金交換と屋根塗装が完了しました。足場を解体し、周辺がすっきりしたところでドローンによる撮影です。左上方の見えない屋根面が寄棟となっている部分です。バルコニーの笠木あたりからは違う方向へ延びる屋根もあり、ここでは入母屋屋根の要素も入り込んでいます。
老朽化した瓦屋根で鬼瓦が外れかけており、今にも落ちそうなものを見たことはないでしょうか。実はこの鬼瓦、裏に銅線が結ばれて固定されており、それで落下を防ぐようにもなっています。もちろん、銅線が解けたり、切れたりすれば落下してきます。棟取り直し工事の際、これまでは棟瓦全てを解体し、積み直して正常な位置に戻し、鬼瓦は銅線とともに漆喰で固定していました。しかし、瓦の表面がツルツルしていることなどから漆喰では固定力が長期に渡って保持できないことも多かったのです。現在は鬼瓦の裏面はシーリング、その他の部分は漆喰で固定、プラスして銅線やワイヤーで緊結されています。
適材・適所の棟取り直し
棟取り直しを行った際、熨斗瓦の土台や積み重ね部分、冠瓦の土台にはシルガード(昔ながらの漆喰とシリコンが配合されたもの)を使用しましたが、大棟と側面と下り棟の上端が干渉する部分にはシーリングを使用しています。地震や強風時に大棟と下り棟が動いた場合、柔軟性のない漆喰やシルガードでは剥がれたり、割れたりしますが、シーリングならばそのような心配も皆無です。
漆喰が剥がれやすい下り棟の先端の鬼瓦の固定にもシーリングを使用しました。漆喰よりも汚れが目立ちやすいのではないかという懸念はありますが、鬼瓦の裏側なので人目に付くことはありません。
これまでの目地のシーリングを全て撤去し、新しいものへと打ち替える工事です。外壁塗装に合わせて行うことがほとんどですが、シーリング打替えのみを行うケースもあります。窯業系サイディングの目地のシーリングは目地部分からの雨水の浸入を防いでいるだけでなく、地震などでサイディングが動いた時に隣接しているものとぶつからないようにする緩衝材の役目も持っています。シーリングが健全であれば、サイディングボードのクラックや割れや欠けも防げるのです。
耐用年数は20年長! オートンイクシードを使ったシーリング打替え
現在、築18年ということですから、ひび割れはできていますが、シーリングとしてはかなり持った方なのではないでしょうか。築10年を待たずにボロボロになってしまうものある中でこれは凄いことです。シーリングと窯業系サイディングの間に隙間ができている部分もありませんでしたので、丁寧に施工されたようです。
これまでのシーリング材を撤去し、シーリングの打替えを行います。まずはプライマーを塗布していきます。プライマーが不足しますと耐用年数を待たずにシーリングと窯業系サイデイングの間に隙間ができてしまいます。その後、シーリング材を充填していきます。オートンイクシードは耐用年数20年超という驚異的な寿命のシーリング材です。
促進耐候試験、人工的に降雨や寒暖を作り出し、どれだけの耐久性があるかを見るテストでは30年を超えても、シーリング材としての機能と性能を保持していたという結果が出ています。ヘラで均した後、完全に乾燥する前に養生テープを剥がせばシーリングの打替え工程は終了です。
シーリング補修は「増し打ち」ではなく「打ち換え」で
ご説明したように、窯業系サイディング目地のシーリング補修の際には、古いシーリング材は全て撤去してから新しく充填しなおすのが基本です。これを「打ち換え」と呼びます。
古いシーリングをはがさず上から打設する「増し打ち」と呼ばれる方法もありますが、これは撤去が難しい場所などで限定的に行われるもので、古いシーリングごとはがれてしまう可能性があります。
シーリング材は適切なものを適切な場所に使用することで、その能力を最大限に引き出すことができます。窯業系サイディングで外壁塗装を行う場合、セットで行われることが多いのが目地のシーリング打替えです。窯業系サイディングの目地に充填するシーリング材もさまざまな製品がありますが、最もお薦めなのはオート化学工業株式会社の「オートンイクシード」です。
オートンイクシードの耐用年数は20年長とも言われており、降雨や寒暖を人工的に再現して行うサンシャインウェザーメーターによる促進耐候試験では30年相当にあたる6000時間を経過しても、その性能が低下せずシーリング材としての機能を保ち続けたと記録されています。現在の無機系塗料には25~30年という耐用年数のものも存在します。それに相当するシーリング材がオートンイクシードなのです。
耐用年数が無機系塗料よりも短いシリコンやフッ素などの塗料で外壁塗装を行い、オートンイクシードでシーリング打替えを行った場合、次の塗り替え、場合によっては次の次の塗り替えでシーリング打替えを行う必要はありません。長い目で見たら、かなりお得なシーリング材と言えるわけです。
シーリング材(コーキング剤)は一般的なホームセンターでもさまざまな種類が販売されています。「これまで使用していた給湯器などの設備機器を取り外したので、外壁にネジの穴が残ってしまった」、「1階のスレート屋根のちょっとした欠けを直したい」、「塀のひび割れを埋めたい」などの軽微な補修は『この程度なら業者に頼むまでもないかも』と考えがちですが、DIYで直すのはお勧めできません(そもそも1階でも、それ以上でも屋根にのぼるのは危険なので厳禁です)。
前述のようにシーリング材はさまざまなものがあり、場所に合わせて最適なものを選ばなければなりません。その場所に適したものでないシーリング材で補修した結果、余計な不具合を招いて状況を悪化させ、それらを含めて専門業者に直して貰ったら余計にお金が掛かってしまったというケースは少なくないのです。昨今のDIYブームやネットで簡単に情報が手に入るようになった今、そういったケースは寧ろ増加傾向にあるようです。街の屋根やさんでも「自分で何とかしようと思ったけど、うまくいかなかった」とご相談を受けることが増えてきました。
緊急の要件でない限り、まずは専門家の私達にご相談してからご検討しても不都合が起こることはないでしょう。シーリングやコーキングのことなら街の屋根やさんに何でもご相談ください。経験豊富なスタッフが現場をしっかり点検し、お客様に対して最適なアドバイスを致します。まずは街の屋根やさんの無料点検をお試しください。
コーキング剤とシーリング材のまとめ
●コーキング剤とシーリング材は呼び方が違うだけで基本的には同じものです
●場所と用途に合わせてさまざまな種類のコーキング剤とシーリング材が存在します
●耐水性と耐久性に優れたシリコン系コーキング剤はキッチンやお風呂といった水廻りに最適です
●変性シリコン系コーキング剤は塗装可能ですので窯業系サイデイングの目地に適しています
●防水性と密着性に優れるウレタン系コーキング剤はモルタル外壁の補修や木材の隙間を埋めるのに適しています
●シーリングやコーキングは雨漏り修理でも良く使われますがあくまでも一時的な処理です
●シーリング・コーキングでは直らない雨漏りもあります
●間違ったシーリング・コーキング処理で被害を拡大させてしまったり、新たな問題を作ることもあります
●棟板金交換工事では板金の繋ぎ目の隙間を埋めるためにシーリング材が必要です
●現在では棟取り直し工事で鬼瓦を固定するのにシーリング材が使用されるようになりました
●窯業系サイディングなどのシーリング打替え工事の主役はシーリング材です
●世の中には耐用年数20年超というオートンイクシードというシーリング材も存在します