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屋根リフォームの種類と費用【塗装・葺き替え・カバー工法】
最終更新2024年3月11日
自宅の屋根リフォームはどの方法が最適か?
屋根リフォームにはどのくらい費用が掛かるのか?
屋根は、耐用年数により様々ですが、約10年単位の区切りで点検やリフォームを検討しなければならない時期になります。
この記事では、「塗装」「カバー工事」「葺き替え」3種類のリフォーム方法を解説し、それぞれの屋根材や時期に合ったおすすめのリフォーム方法をご紹介します。
現在屋根リフォームを検討し迷っている方はご参考にしてください。
屋根リフォームにはどのくらい費用が掛かるのか?
屋根は、耐用年数により様々ですが、約10年単位の区切りで点検やリフォームを検討しなければならない時期になります。
この記事では、「塗装」「カバー工事」「葺き替え」3種類のリフォーム方法を解説し、それぞれの屋根材や時期に合ったおすすめのリフォーム方法をご紹介します。
現在屋根リフォームを検討し迷っている方はご参考にしてください。
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屋根リフォームをすると見た目がきれいになりイメージも変わって良い気分になりますね。しかしそれだけでなく、屋根をリフォームする最大の目的は劣化部分の修繕や屋根の寿命を長くすることにあります。屋根は建物の中で最も雨風や強い日差しを受けています。日々過酷なダメージを受けて、少しずつ劣化が進んでいるのです。
日本は四季があり、夏は直射日光が照りつけるため屋根が焼けるほど熱く、冬は雪が降り積もり気温がマイナスになる地方もある風土です。また、台風による大雨や強風、地震による揺れなど災害が多いのも日本の特徴の一つといえます。
屋根は、建物を雨風、紫外線などから常に守り続けているとても重要な部分なのです。そのため定期的なメンテナンスとともに、劣化が激しい場合は、葺き替えやカバー工法などの屋根のリフォームが必要になってきます。
メンテナンスをしないままでいると、雨漏りや、台風・地震による被害などのリスクが高くなります。被害に遭ってしまってから屋根リフォームに踏み切る方も多いのですが、雨漏りや屋根被害で不安な日々を送りたくはないですよね。屋根工事業者に連絡をしてお見積もりを取ったとしてもすぐに工事に取り掛かれるわけではありません。自然災害により近隣での被害が多発してるとなればなおさらです。被害が大きければリフォームの際にかかる費用も大きくなります。屋根は大きな問題が起こる前に点検・対策をしておくべきなのです。
このページでは屋根リフォームをするべき時期についても解説していますので、ご参考にして早めのリフォームをご検討ください。
さらに地震大国である日本では、耐震性を向上させるために重いものから軽い素材の屋根に葺き替えたいという方も増えています。壁や梁などの耐震補強工事も大切ですが、屋根を軽くすることが簡単に建物の耐震性を上げる方法です。
周囲の環境や住んでいる地域など条件によっても屋根の耐用年数は変わってきます。例えば、台風が直撃しやすい南の地方や太平洋側などの地域は雨風によって劣化が激しくなり、雪おろしが必要な寒冷地も屋根を傷めるリスクは高いといえます。
それぞれ地域や環境によって劣化状況が変わってくるので、もし心配であれば街の屋根やさんにお問合せください。無料点検で屋根の状況を確認し、ご希望に応じて最適なリフォームをご提案いたします。
ここでは代表的な屋根リフォームとして、屋根塗装、屋根葺き替え、屋根カバー工法の3種類をご紹介します。
屋根塗装
他の2つに比べれば費用もそれほど掛からず行える屋根リフォームです。屋根材には定期的に塗装が必要なスレート屋根や金属屋根があります。その塗膜が劣化すると屋根材そのものが保護できなくなり、水が浸透したりもろくなったりするのです。そのため、定期的な塗装によるリフォームが必要なのです。
また、屋根塗装は、足場費用を節約するため外壁塗装と同時に行うのが一般的です。そのため外壁と屋根のメンテナンス時期を合わせるように、塗料の耐用年数をほぼ同じに設定しておくことがコツです。
屋根カバー工法
今の屋根を新しい屋根でカバーすることで手軽に屋根材を新しく出来ます。スレート屋根やトタン屋根、ガルバリウム鋼板の金属屋根(形状による)などの屋根で施工可能です。既存の屋根材を撤去せず、上から新しい屋根材を施工していきますから、元々の屋根がフラットな形状でなければ不可能な工法なのです。
つまり瓦のような凹凸のある屋根材は、カバー工法ができないという事です。
葺き替え
屋根の葺き替えは最も大規模な屋根リフォームです。スレート屋根や金属屋根は定期的に塗装のメンテナンスをしますが、永久にその繰り返しで維持できるものではありません。日本瓦やセメント瓦・コンクリート瓦も老朽化により欠け、割れなどの劣化が激しかったり、防水紙や下地まで劣化していれば葺き替えることになるでしょう。
屋根材の寿命を延ばします。
☑ 築10年~20年程度の屋根
☑ 雨漏りなどの重大な問題が起こっていない屋根
☑ 雨漏りなどの重大な問題が起こっていない屋根
屋根材 | スレート、金属、 セメント瓦、コンクリート瓦 |
推奨時期 | 新築から8~10年 (その後は塗料の耐用年数に応じて) |
30坪戸建て での費用目安 |
約40~60万円 (足場込み) |
屋根塗装が必要な屋根材は、スレート、トタンやガルバリウム鋼板の金属、セメント・コンクリート瓦です。反対に塗装が不必要な屋根材は、日本瓦の陶器瓦です。
スレート、金属、セメント瓦などの屋根材は元々塗装されています。これは色付けのためでもありますが、屋根材を保護するためでもあるのです。しかし経年劣化で色あせてきていませんか?塗膜が劣化している証拠です。屋根材を保護する塗膜が劣化するとスレートがもろくなったり、金属屋根に錆が拡がりやすくなってしまったりするのです。
屋根材にはそれぞれ耐用年数がありますが、その耐用年数に到達するまで維持し続けるためには、再塗装というメンテナンスが必要なのです。
一般的な延べ床面積30坪の建物で足場代込みで、約40〜60万円がリフォーム費用の相場です。もちろん塗料によっても費用は変動します。塗料はグレードによって分類され、耐用年数も変わります。
塗料のグレード | 耐用年数 |
ウレタン塗料 | 8 ~10年 |
シリコン塗料 | 10~15年 |
ラジカル制御型塗料 | 12~17年 |
フッ素塗料 | 15~20年 |
無機塗料 | 20~25年 |
新築後10年経過すれば業者の点検を行い、劣化状況を見て塗装が必要なのかを判断しましょう。屋根塗装でカラーを変え建物のイメージが一新できるのはもちろん、遮熱塗料などを選ぶことで建物に付加価値をつけることもできます。
屋根塗装の施工事例をご紹介
棟板金の補修に併せ苔の生えたスレート屋根を塗装
建坪 約48坪 築年数 18年 施工期間 8日間 費用 71.5万円
強風時に屋根から異音がするとのことで点検に伺うと、頂部の棟板金が緩んでいました。併せて、屋根材であるスレートもすっかり色落ちし苔が生えている状態でした。このままだと屋根材のダメージは進む一方です。棟板金の補修と同時に、一部のスレートの差し替えと全体の塗り替えリフォームをご提案いたしました。
スレートの劣化が進んでいましたので、それをカバーし補強するエポキシ樹脂系下塗り材を使用、上塗りには遮熱効果のある塗料を使いました。3階建てで太陽光を浴びやすい屋根ですが、今後の室内気温改善も期待できます。
塗装10年目、錆の目立ち始めた折板屋根を塗装
建坪 約15坪 築年数 25年 施工期間 3日間 費用 35万円
10年前にも塗装メンテナンスをされたという折板屋根です。塗膜が劣化し錆が目立っていました。
錆と古い塗膜をサンドペーパーやワイヤーブラシなどでしっかり削り取り、改めて錆止め下塗り後、中塗り、上塗りを行いました。
ボルトも全て錆びていましたので、塗装後、保護用のボルト用キャップを被せました。10~15年の耐候性が期待できる塗替え工事です。
現在の屋根の上から新しい屋根材でカバーします。
☑ 築20年~30年程度の屋根
☑ 大きな破損などなく野地板が丈夫な屋根
☑ 大きな破損などなく野地板が丈夫な屋根
屋根材 | スレート、金属(形状による)、 アスファルトシングル |
推奨時期 | 新築から20~30年 |
30坪戸建て での費用目安 |
約100~200万円 (足場込み) |
屋根カバー工法は、スレート屋根や金属屋根など屋根材そのものがフラットな形状をしている場合のみに適用できる屋根リフォームです。従って瓦屋根にはカバー工法はできません。
屋根カバー工法は、葺き替えとは違い既存の屋根材をそのまま下地として使用するため、その撤去費用がかからないというメリットがあります。葺き替えより工事費用を安くできるため予算を抑えたい方には適しています。ただし注意したいのは、下地の野地板が健全な状態でなければいくら上に新しい屋根材を葺いても長持ちしません。
カバー工法を検討する場合は、必ず下地が劣化していないかを確認する必要があります。
また、2005年以前の建物であればスレートにアスベストが混入しているケースがあります。アスベストの撤去は手作業で行い産廃処理費用も必要なため高額で、予算オーバーする場合はカバー工法を選択し費用を抑えるケースもあります。ただアスベストの根本的な問題の解決にならないので、その家の課題としては先々に残ります。
令和4年4月1日より、建築物等の解体・改修工事を行う施工業者は、大気汚染防止法に基づき石綿(アスベスト)含有建材有無の事前調査結果を都道府県等に報告することが義務づけられています。
街の屋根やさんでは、基準に則った正しい調査・報告を実施しております。
カバー工法でのリフォーム費用の相場は、30坪で約100〜200万円程度です。屋根材の種類などで変動します。詳しくは見積もりを取りましょう。屋根カバー工法は屋根が2重になるため、屋根材によって異なりますが断熱効果が上がるのもメリットです。反対に2重になることで屋根の重量が重くなり、耐震性は現状より少し悪くなるという見方もあります。カバー工法で比較的軽いガルバリウム鋼板の金属屋根を用いることが多いのはそのためです。
屋根カバー工法の施工事例をご紹介
塗装できない屋根材パミールをガルバリウムでカバー工事
建坪 約27坪 築年数 22年 施工期間 8日間 費用 139.7万円
ご近所の方から「屋根が剥がれてない?」と言われて、リフォームを検討されたそうです。こちらの屋根材はパミールという製品で、劣化すると写真のように層で剥がれてきます。塗装をしてもやはり剥がれてしまうこと、築20年以上経っていることからカバー工法をご案内いたしました。
上から重ねるカバー工法では現在の屋根を平坦にしておく必要があるので、棟板金などの部材のみ撤去、今の屋根材の上からまずは新しい防水紙を敷いていきます。これで元の屋根に劣化による問題があったとしても、簡単に雨水が浸入することはありません。
新しい屋根材は金属です。遮熱顔料塗布、断熱材入りのガルバリウム鋼板屋根材で、金属による暑さも抑えられます。ボロボロとはがれていた屋根が綺麗に仕上がり「予想以上の出来栄え」とのお声をいただけました。
風で剥がれかけた立平葺き屋根をカバー工法でリフォーム
建坪 部分工事 築年数 40年 施工期間 1日間 費用 18.5万円
屋根がバタバタしているとのご相談で伺ってみると、金属屋根の端に取り付けられたケラバ水切り(金属役物)が歪んで外れている状態でした。既存の屋根は雨漏りなどの不具合はないためそのままで、部分的に上から薄くて丈夫なガルバリウム鋼板をかぶせる形で補修いたしました。
屋根の端は風の影響を受けやすい部分です。今回も破損した部分ですので新しい水切りはしっかり取り付け、その後に屋根材を葺きました。屋根が壊れご不安だったようですが、部分補修で費用も思ったよりかからずお喜びいただけました。
屋根を下地から新しくします。
☑ 築20年~30年以上の屋根
☑ カバー工事出来ない瓦屋根
☑下地までダメージがある屋根
☑ カバー工事出来ない瓦屋根
☑下地までダメージがある屋根
屋根材 | 瓦、スレート、金属、 アスファルトシングル(全ての屋根材) |
推奨時期 | 新築から20~30年以上 |
30坪戸建て での費用目安 |
約100~300万円 (足場込み) |
屋根の葺き替えは、既存の屋根材を撤去して、老朽化した下地の野地板や防水シートの貼り替えから行います。
屋根材にも寿命はありますが、下地である野地板と防水シートの耐用年数が20〜30年であることからそのタイミングで葺き替えが必要になってきます。
一般的な30坪の建物でのリフォーム費用相場は、総額約100〜300万円と幅があります。下地の状態や、新しく葺く屋根材の価格など条件によって全く異なりますので正確には見積りを取りま
しょう。
屋根の問題が全て解決するのはもちろん、今までと全く違う屋根材に挑戦することも可能です。特に重い瓦から葺き替える場合は軽量な屋根材を選べば大幅な重量ダウンとなり耐震性の向上が期待できます。
逆に、現在よりも重量が増える屋根材への葺き替えは出来ません。同等か軽い屋根材をお選びいただくことになります。
屋根葺き替えの施工事例をご紹介
雨漏りのあるセメント瓦屋根を葺き替えリフォーム
建坪 約18坪 築年数 40年 施工期間 6日間 費用 150万円
老朽化で雨漏りにも悩まされているというセメント瓦の屋根です。今後の地震や台風などのことも考えて軽量な金属屋根材での葺き替えとなりました。
元々の野地板はバラ板といって、通気性を考慮し、細い板を隙間を開けながら施工したものです。しかしそれでは耐久性に不安があるため、上から合板を増し貼りし強化しました。新しい屋根材である金属製屋根はとても軽いので、それでも全体の重さとしては4分の1から5分の1程度になるはずです。
雨漏りが解消されただけでなく、落ち着いたカラーで和の雰囲気を残しつつスタイリッシュに仕上がりました。
軽量瓦ルーガに葺き替えで耐震性アップ
建坪 約32坪 築年数 30年 施工期間 14日間 費用 270万円
耐震性をアップしたいとのことで屋根リフォームをご検討、元の屋根は土を使った工法で1坪約300kg程あります。軽量瓦への葺き替えとなりました。
瓦と下地の葺き土、それから敷かれていた杉皮も全て撤去すると、経年で破れた防水紙と野地板が現れました。野地板を補強し防水紙を新しく敷設することで30年間蓄積されたダメージも一掃できました。
スレートからスレートへの葺き替えで直らない雨漏りを解決
築年数 40年前後 施工期間 3週間 費用 約200~300万円
雨漏りがあり以前にも補修をされたそうですが改善されなかったとのこと。雨漏りは原因が1か所ではないことも多く、一度の補修で雨漏りが止まらないということも珍しくはありません。点検の結果、経年で板金や屋根材に多数の不具合が見つかったため、全体的な屋根の葺き替えを行うこととなりました。
屋根リフォームを検討する際は、あと何年我が家を維持したいのかによってもリフォーム方法の選択は変わってきます。10年未満維持できればいいのであれば、塗装や瓦の差し替えなどのメンテナンスで十分です。しかし、10年以上、15年、20年と長く維持して資産価値を維持したい、子供の代まで引き継ぎたいのであれば葺き替えやカバー工法を選択することも必要です。
今後のご家族や将来の計画を見据えて屋根リフォームの方法を選択しましょう。
予算が少なくても、リフォームローンや自治体の助成金を上手く活用し思い通りのリフォームを実現させることも可能なので調べてみましょう。
10年に一度は点検を!
3種類の屋根リフォーム方法と費用について解説してきました。ご自宅の屋根はどんな屋根材で何年経過していますか?
まずは今どのような状況で、どのようなメンテナンスやリフォームが必要なのかを確認することが必要です。とはいえ屋根の状況は分かりにくいので点検は街の屋根やさんにお任せください。
表面上綺麗に見えても、必要な釘が緩んでいたり下地が劣化していたりということもあります。何事もなくても10年に一度は屋根点検をおすすめします。街の屋根やさんでは点検・お見積もりは無料です。
うちの屋根は大丈夫?汚れてきたけれどリフォームした方がいい?と感じたら、まずはお問合せください。
屋根リフォームの種類と費用まとめ
●屋根は毎日紫外線や雨風にさらされ劣化を続けています。雨漏りなどの被害に遭う前にリフォームをご検討ください
●代表的な屋根リフォームは、屋根塗装、屋根カバー工法、屋根葺き替えです
・屋根塗装
新築から10年で検討したいリフォームです。
屋根材の寿命を延ばします。
・屋根カバー工法
新築から20~30年で検討したいリフォームです。
現在の屋根を撤去せず新しい屋根を載せるので
葺き替えよりも安くリフォームできます。
・屋根葺き替え
新築から20~30年以上で検討したいリフォームです。
最も費用が掛かりますが屋根の問題を全て解決できます。
●屋根リフォームはご家族や将来のことも考慮し検討しましょう
●10年に一度は屋根の点検をおすすめします