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屋根のプロが教える!破風板・鼻隠し・ケラバの役割と修理・補修方法
屋根の形状によっても違いますが、破風板や鼻隠し、ケラバと呼ばれる部分は雨にも打たれますし、風の影響に限っては寧ろ、屋根の面の部分よりも大きいと言えるでしょう。お家の中でも最も過酷な部分と言っても過言ではないのです。定期的なメンテナンスと補修はもちろんのこと、場合によっては新しいものへ交換する必要も出てきます。破風板・鼻隠し・ケラバの役割とメンテナンス方法を知り、ぜひ、お家の維持管理にお役立てください。
長い文章のページとなっていますので、内容を動画でもまとめています。動画で見たいという方はこちらをご覧ください!
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長い文章のページとなっていますので、内容を動画でもまとめています。
動画で見たいという方は是非ご覧ください!
屋根の側面の重要部分が「破風板(はふいた)」と「鼻隠し(はなかくし)」です
2面だけで構成される非常にシンプルな形状の屋根で、特定の角度から見ると二等辺三角形のような形状をしていることから『三角屋根』と呼ばれることもあり、多くの方が思い浮かべることができるのではないでしょうか。ちょうど本を開いて伏せたような形状をしています。
破風と鼻隠し、どちらも屋根の端にあるので混同されやすいのですが、雨樋の有無という大きな違いがあります。
破風には雨樋が設けられていませんが、鼻隠しには取り付けられています。
その名称の通り、風がお住まいに悪い影響を与えないようにするという重大な役割を担っています。
世の中には破風や鼻隠し、ケラバがない家も多数、存在します!
ビルに代表される陸屋根
方形(宝形)屋根
寺院などに見られる六角形や八角形の屋根も同様です。
マンサード屋根
切妻屋根以外にも破風やケラバは存在するの?
片流れ屋根にも破風やケラバは存在します。切妻屋根と同じように勾配が付けられた屋根の端、外壁から外側の部分がケラバで、その側面は破風です。
破風板・鼻隠し共通 屋根の耐風性の向上
破風板や鼻隠しの板が屋根の先端に取り付けてあるだけで、屋根を吹き上げるような風を分散させることができるのです。
破風板・鼻隠し共通 雨水の浸入防止
前述の屋根の耐風性の向上も、この雨水の浸入防止も、同じはたらきによるものなのです。
破風板・鼻隠し共通 美観の向上
神社・仏閣の垂木や母屋が立派に見えるのは見られることを意識して設計され、化粧されているからであり、そうではない一般的な建物は見えない方がすっきりと感じられます。
破風板のみ 防火性への考慮
厚みのある木材の場合、表面は燃えますが、黒く焦げて炭化してしまえば、燃えていない部分に酸素が供給されにくくなります。建物内部へ火が回るまでの時間を稼ぐことができるのです。現在の破風板は不燃や準不燃の窯業系サイディングのものが使われることが多くなりました。
鼻隠しのみ 雨樋取り付け
鼻隠しと垂木、2つの部材に取り付けられることから緩み難くなり、固定力も強力になります。鼻隠しと垂木で木材の繊維方向が違いますから、縦方向の力にも、横方向の力にも、引き抜きの力にも強くなるのです。
外壁がモルタルのお家の場合、軒天から鼻隠し、破風までモルタル仕上げになっているものもあります。
役割・素材と共通点は多いが、破風板の方が傷みやすい
それに対して破風板は直射日光があたる機会も多く、強い風にも堪えなくてはなりません。鼻隠しよりも傷みやすいのです。鼻隠しが傷んでいる場合、それ以上に破風板が傷んでいることが多いのです。
鼻隠しは雨樋で見にくい部分ではありますが、悪天候の後はもちろんのこと、定期的な点検も欠かさないようにしてください。
状態 塗膜が剥がれかかっている
補修方法
塗装(ケレンして塗装)
費用 安い
これからの耐用年数 普通
状態
塗膜の剥がれは進行しているが、木材は健全 補修方法
板金撒き(破風板や鼻隠しを板金で撒いて覆ってしまう)
費用
中
これからの耐用年数
長い
※鼻隠しを板金撒きする場合、雨樋を取り外すので新しい雨樋にした方がお得
状態
塗膜の剥がれが顕著、木材にも劣化や腐食あり 補修方法
部分交換、または全交換
(破風板や鼻隠しを部分的、または全面的に交換する)
費用
高い
これからの耐用年数
普通・長い
※鼻隠しを交換する場合、雨樋を取り外すので新しい雨樋にした方がお得
※木材から窯業系に変える場合、部分交換はできないので全交換
部分的に交換する場合でも全体的に塗装となければならない
地上から側面や破風、軒天部分は見えますが、上側は全く見えません。毎年とは言わないまでも、数年に1回は点検しておきたい部分です。ケラバは使われている屋根材によって、メンテナンス方法が異なってきますので、屋根材別に見ていきましょう。
ケラバ瓦のズレや外れ、落下
釘が緩んでくるのは風などの影響もありますが、下地に問題を抱えていることも多く、雨水が浸入し、腐食していることもあります。この場合は腐食している下地、野地板などを交換し、新しい防水紙に交換する部分的な屋根葺き直しを行います。
セメント瓦やモニエル瓦の場合、瓦が手に入らないので屋根葺き替えになることもあります。セメント瓦やモニエル瓦は屋根塗装時にこちらのケラバの瓦もしっかりと塗装します。
ケラバ板金の釘の浮き、変形、錆
変形が酷い場合や錆が酷い場合は交換となるのですが、板金はL字型ではなく、屋根材の下に入り込んでおり、なおかつ固定されているため、屋根材を広く剥がさないと交換できません。スレートも金属屋根材も剥がした部分は再利用できませんから、将来のことを考えれば屋根カバー工法や屋根葺き替えを選択した方が賢い選択になることもあります。
一度の足場仮設でまとめて補修工事をしたほうがお得です
破風板や鼻隠しの補修だけという工事をすると、雨樋交換が必要になった時に足場の仮設、雨樋の脱着を再度、行わなければなりません。
新しいものにしておいた方が確実にお得と言えるでしょう。工事中だと生活も落ち着かないし、費用の面でも大きな負担になってしまいます。
「この前の台風は大きかったけど、建物は大丈夫かしら?」、「何年も点検もメンテナンスもしていないから雨の季節が心配…」という不安をお持ちの方はぜひ、ご利用ください。問題点がなかった場合はそれで安心できますし、見つかってしまった場合は最適なアドバイスを致します。
街の屋根やさんの無料点検について詳しくはこちら
破風板・鼻隠し・ケラバの役割と修理・補修方法のまとめ
●屋根の側面の重要部分である「破風板」と「鼻隠し」は傷みやすいので定期的なメンテナンスが必要です
●世の中には「破風」や「鼻隠し」、「ケラバ」がない家も多数、存在します
●片流れ屋根や差し掛け屋根にも「破風板」と「鼻隠し」と「ケラバ」が存在します
●「破風板」と「鼻隠し」と「ケラバ」、部位は違うが耐風性の向上、雨水の浸入防止、耐火性の向上という役割があります
●「破風板」と「鼻隠し」の材料は同じなので補修方法もほぼ同じです
●傷みが軽微なうちに塗装で保護するのが理想です
●傷みが酷くなってきたら、板金で巻いて覆ってしまう補修方法もあります
●「破風板」と「鼻隠し」に劣化や腐食がある場合は部分交換や全交換を行います
●「ケラバ」も傷みやすい部分です
●「ケラバ」は屋根材によってメンテナンス方法が異なります
●「破風板」と「鼻隠し」と「ケラバ」の点検は街の屋根やさんの無料点検をご利用ください